恥ずかしいとか言ってるくせに、こんな大胆なことができるのは、感覚が甘さで麻痺してるから。
「……あー、理性死んだ。
これ以上俺を狂わせないでよ、おかしくなりそう」
それはこっちのセリフだよって言い返したかったけれど、すぐに唇を塞がれたから言えなかった。
***
あれから少しだけ時間が過ぎて。
「く、唇がヒリヒリする…」
どれくらいの時間キスをしていたのかわからない。
だって、夏向が全然止まってくれなかったから。
今は2人でベッドに寝転んで、夏向がわたしを正面から抱きしめている。
「か、かなた?」
「…………」
スウスウと規則正しい寝息が耳元で聞こえる。
え、うそ寝ちゃったの?
起こさないようにゆっくり顔を上げると、気持ち良さそうな寝顔でスヤスヤ眠っていた。
夏向の寝顔を見ていたら、こっちまで眠くなってきた。
朝、いつもより早く目が覚めたせいもあるけど、
それよりも夏向の体温が心地よくて、うとうとして…。
ゆっくり目を閉じた。

