前の夏向もわがままで自分勝手だったけど、
付き合うってなったら、それにさらにプラスして甘えることが多くなってる。
「んじゃ、アイツ捕まるまで寝てるから膝貸して」
「はっ、えっちょっ!」
頭だけゴテンとわたしの太ももの上に乗せてきて、そのまま目を閉じて眠ろうとする。
「……柔らかくて寝心地いいね」
「柔らかいって太ってるみたいじゃん…」
「太ってない。ふつーくらいがちょうどいい。ふわふわしてる」
「なっ、ふわふわって。悪口だよそれ」
「なんで?マシュマロみたいで俺好きだよ」
「マシュマロって……」
こんなくだらない会話をしていたら。
「へー、真っ昼間から外でイチャイチャするなんて堂々としてんねー」
突然聞こえてきた声にハッとして、
顔を上げて声の主のほうを見た。

