保健室を出てから人混みの中、腕を引かれて連れてこられたのはわたしのクラス。
「着替えの制服どこにあんの?」
「あ、教室の中……。で、でもわたし午前中は仕事しないと……」
「冬花のそんな可愛い姿、
他の男に見せたくないって言っても?」
「っ…!」
えっ、ど、どうしちゃったの。
急にこんなストレートに言ってくるなんて。
なんて返したらいいのか迷っていると、
教室の中から樹里が出てきた。
樹里は眉間にしわを寄せて夏向をジーっと見る。
「何よ、元気にピンピンしてるじゃない。
看板の下敷きになったって噂聞いたのに」
樹里が嫌味たっぷりの口調で夏向に向かって言う。
「んで、冬花をここに連れてきてどうするつもり?」
「冬花のこと貸してほしいんだけど」
夏向の言葉に、はぁとため息をつきながら、
次にわたしを見た。

