だけど、わたしなんかがたしかめにいったところで……何ができる……?


というか、そもそもわたしは夏向の彼女でもなんでもないのに…。



そんな何も関係がないわたしに、夏向を心配する資格なんてない。



すると、この場にいてずっと黙っていた佑都先輩がわたしの手をつかんだ。




「……ちょっと冬花ちゃん借りるよ」



いつもより数倍低い声で佑都先輩が、樹里に向けて言った。


樹里はいつもと様子が違う佑都先輩に、何かを感じ取ったのか何も言わなかった。



身体にうまく力の入らないわたしは、佑都先輩に手を引かれるがまま。


足元がフラフラして、先輩がつかむ手のおかげで身体のバランスを保てているといってもいいくらい……。




そして、連れてこられたのは今は誰も使っていない資料室。


中に入ると、しばらく風を通していなかったせいか湿気がすごい。



扉が佑都先輩の手によって雑に閉められ、


壁に身体を押しつけられた。