「すみません、そーゆーナンパは他でやってくれます?」



そう言いながら、

わたしを後ろから抱きしめた……佑都先輩。




「この可愛い子は俺の彼女なんですよ。
だから、手出されると困っちゃうんですよね」



首を少し後ろに向けて佑都先輩の顔を見ると、顔は笑っているのに目が笑っていなくて圧力がすごい。



「あ、な、なんだっ。彼氏いたんだねー」


「ははっ、そ、そりゃそうだろー。
こんだけ可愛かったらな。いやー、すみませんでしたー!」



あわてる様子を見せながら、去っていた2人組。

さっきまでのしつこさが嘘みたい。


明らかに向こうのほうが年上なのに、
そんな人たちをビビらしてしまう先輩って……。



「あ、あの……、
助けてくれてありがとうございました」


身体をくるりと回転させて、先輩のほうを見てお礼を言った。



「どーいたしまして。
ってか、危ない格好してるって自覚してる?まさかこれで校内歩き回るつもり?」


「こ、これが仕事なもので…」