わたしってほんとにどうしようもない……っ。


地面に足をつき、ブランコの錆びた鎖をギュッと手で握り、下を向いた。



1年前と同じように、
涙がポタポタと雫になって地面に落ちていき、砂の上に染みを作る。



まったく同じ状況になっているけれど、

ひとつだけ違うのは……。



「か……なた……っ」



ここにいるのは、
夏向に会いたいから……。



ほんとにほんとに矛盾ばっかり。



わたしの中にいる夏向は全然消えてくれない。


優しくもないし、自分勝手で、子供っぽくて。


でも……、こんなどうしようもない強がりで素直じゃないわたしのそばにいてくれたのは夏向だけ……。



想えば想うほど、胸が苦しくなって、
涙がとめどなく溢れてくる。



1年前はこうやって泣いていたら、
いきなり目の前に影が重なって、顔を上げたら夏向がいて……。


昔の記憶を少しずつたどっていると……



目の前に影が重なり、


ふっ、と暗くなった。