***


「……ん」


次に目が覚めた時には、見覚えのある部屋の天井が視界に入ってきた。


ぼんやりする意識の中で、見渡してみれば、そこはまぎれもなくわたしの部屋。



あれ……。
わたし外に出たはずなのに、どうやってここまで戻ったんだ……?


たしか、途中で意識が飛んでしまって、外で倒れたはずなのに。


どうして……?



すると、手に何やら違和感……というか、自分以外の体温を感じる。


そちらのほうに視線を向けて驚いた。



「……うそ…っ」


わたしの手を握りながら、ベッドのそばに座って眠っている


……夏向の姿。



この状況が全く理解できない。
なんで夏向がここにいるの……?


しかも、わたしの手を離さないようにギュッと握りしめている。



驚いて固まっていると、わたしが起きたことに気づいた夏向が目を覚ました。


うっすらと目を開けながら、わたしのほうを見る。