無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。




もしも道端で倒れても誰かが助けてくれる……なんて最悪の事態を考えながら、外に出た。



強すぎるくらいの日差しが弱っている身体を攻撃してくる。


少し歩いただけで、くらっとめまいがする。


家を出て10メートルほど歩いたところで、
身体が前に倒れそうになり、とっさに壁に手をつく。


「はぁ……っ」


呼吸がさっきよりも浅い。
クラクラして、立っていることすら厳しい。


だけど、家に戻れるほどの体力はもう残っていなくて……。



もうダメだ……。


ついに身体の力が全て抜けてしまい、
意識が飛ぶ寸前……。



ドサッと自分が倒れた音がする。
だけど身体は痛くなくて……。



かわりに


ふわりと甘い柑橘系の匂いがした……。