無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。




朦朧とする意識の中、その名前を親指でタップしてしまい、呼び出し音が鳴る。



ハッとして、すぐに切った。


鳴らしたのはワンコールだけ。
たぶん、相手の着歴には残った……。


何やってるんだ、わたしは……。



あれだけ冷たく突き放されて、はっきり嫌いとまで言われた相手を頼ろうとするなんて……。


表面上だけ仲良くしている子たちならたくさんいるけれど、こんな弱った姿を見せて、わざわざ家に来てくれるまでの人はいない。


このまま1人で意識失って、誰にも見つけてもらうことができないままなのかな……。



本格的に意識がぶっ飛びそうになるのをなんとかこらえながら、身体を起こす。



頼れる人がいないなら自分でなんとかするしかない……。



昔からこうやって乗り切ったきたんだから大丈夫……と、言い聞かせながらスマホと財布を持ち、玄関に向かう。


とりあえず何か飲むものと、冷やすものと薬を買いに行かなくてはいけない。