何か嫌な予感が、胸騒ぎがする。


夏向はいつだって、わたしの思い通りには行動しない。



きっと、何か企みがあるのかもしれない……そう思いながら、握ったドアノブをゆっくり引いた。



ガチャッと音が鳴り、
ゆっくり扉を自分のほうへと引く。



中の様子に目をやろうとするけれど、異常なくらいの緊張感に襲われて、まばたきをしながら床を見ることしかできない。



部屋は薄暗いことがわかる。
ここに、いったい何があるのか。



おそるおそる顔を上げて……



目の前の光景に固まった。



心臓が嫌なくらい、ドクッ大きく跳ねながら、

その後に遅れて、手に持っていた紙袋が床にドサッと落ちた音が聞こえる。



「……へー、ほんとに来たんだ?」



抑揚のない、まんまとここに来たわたしをバカにする夏向の声。