なんだかカッコいいセリフを吐きつつ手際良くダンボールに着色していく桃ちゃん。

戦うしかない、か…。

これまで私とコウはあらゆることで競って、最終的には私の負けで終わることが常だった。

勉強も運動も敵わないのに、まさか恋愛で勝負する羽目になるとは。

「先制攻撃として、文化祭誘ってみれば?」

「え、それ名案!天才!」

いかにして先輩のクラスの出し物に入り浸るかばかりを考えていた私にとって、「一緒に回ってもらえるよう素直に誘う」というのは盲点だった。

もう挨拶する仲なんだし、好意も多少はバレてるだろうから誘ってもおかしくないよね?

私が感激の眼差しを向けると、桃ちゃんはいたって冷静に「ついでに私が先輩と写真撮れるように間取り持ってよね」と付け足した。

そっちが本題だろうな。