_______それからというもの。

コウは本当に渡辺先輩にアタック?している。

私が先輩に話しかけようとするとすかさず割り込んできて、「涼くん、おはよ」なんて肩を組む。

私は目の前で名前呼び&タメ口&接触を見せつけられ、唇を噛み締めるばかりだった。

「奈々、ぼーっとしないでよ」

桃ちゃんが私の顔の前で手を振る。もう片方の手には大きなハケが握られている。

そうだ、いま文化祭の準備中だった。
我が1年3組は焼きそば屋をやるのだが、クラスの中心というわけでもない私たちは、ダンボールに色を塗る雑務を任されている。