颯爽と立ち去る先輩。私は未だ慣れない至近距離の高級顔面と名前呼びの影響で立ち尽くしたまま。
先輩ファンのクラスメイトが群がってきたけど私は依然として放心状態だったので、事情の説明は桃ちゃんが代行してくれた。
ずるいだの羨ましいだの聞こえてきて優越感に浸る。わかるわかる、ほしいよね、認知。
ま、顔面レシーブくらいできないと到底無理ですよーん♪
「なにニヤついてんの?キモ」
「痛っ!」
完全に調子に乗っていた私は突然の頭部への刺激に心底驚く。全然痛くないけど反射的に言葉が出た。
どうやらいつの間にか後ろにいたコウに軽めにはたかれたらしい。
シンプルな暴力&言葉の暴力に対してギャンギャン文句を浴びせるが、コウは涼しい顔でべーっと舌を出して席に戻って行った。なんなんだあいつは。
そのままHRが始まり仕返しは出来ずじまいだったけど、私には先輩との幸せな思い出+確約された未来があるから問題ない。
私はふわふわした気持ちでその日を終えた。
