先輩♂を巡って幼馴染♂と争う話


_______そして翌日。

朝のHR前の教室。今日はやけに騒がしい。

理由は一目瞭然。

「山本奈々さんいるかな?」

神々しい光を放つ渡辺先輩が突如君臨なさったからだ。

クラス一同(特に女子)がざわめく中、私は挙動不審になりながらも先輩の待つ教室後方の扉まで走る。そのスピードには忠犬も驚くことだろう。

「お、おはようございます!」

「おはよう…あ、まだ腫れてるね」

私の顔を見るなりしゅんとする先輩。私の反射神経が終わってるせいで落ち込ませてしまってすみません…。