その時だった。

「奈々〜200円貸して」

ヌッと目前に出てきた大きな身体によって視界を塞がれる。

見上げると、見慣れた…いや、見飽きた男の顔が。

タイミング悪っ!!

「ちょ!邪魔!どいて!」

「は?なに…」

そうこうしてるうちに先輩が左から右へと歩いて行ってしまった。