テキストを奪い取られて暇になった私は、相変わらずスマホを開いたり閉じたりしている。

はあ、やっぱ向こうからは来ないよな…

大きくため息をついたが、課題に集中しているコウはガン無視で手を動かす。だがそれでいい。私のために解き続けるのだ!

…そして10分が経った。

「終わった」

「さっすが秀才!頼りになる〜♡」

「…教えてやるからその気色悪い声やめろ」

私にゴミを見るような目を向けたコウだったが、宣言通り本当に丁寧に教えてくれた。優しい!

こうして1人ではどうしようもなかった(主に集中してなかったのが原因だが)課題が、あっという間に終わったのだった。

そしてコウは帰っていく…と、思いきや。