「よお」
「ノックくらいしなよ」
「来る前に確認するようになっただけ感謝しろよ」
「暴君かよ!てか無視しても来るんだからそもそも確認の意味ないよね」
私のド正論を華麗にスルーしたコウは、まるで自分の部屋かのようにくつろぎ始めた。いつものことだ。
しかもあろうことか私のやりかけのテキストを我が物顔で使い始めた。
「ちょっと!私まだ終わってないんだけど?」
「10分で解いて教えてやるから待ってろ。そっちの方が効率いいだろ?」
「…早くしてね」
悔しいけど確かに自力じゃ何時間もかかりそうだったので、そのまま貸してあげることにした。
こういうとき賢い隣人を持つと便利だ。
