「奈々、もっとつめなさいよ」

「押さないで!ここがベスポジなんだから!」

奈々というのは私、山本奈々のことだ。

ファン仲間の友達に文句を言われるが、このために鍛えた体幹を駆使してポジションを抑える。

これは譲れない戦いなのだ!敵も味方も関係ない。

「来た!渡辺先輩よ!」

階段前を抑えた女子生徒が声をあげた。

場に緊張が張り詰める。

ああ、ついに先輩が見れる……!