私は周りの先輩ファンにバレないよう、学校を出てから桃ちゃんだけに事の経緯を話した。
桃ちゃんは半信半疑といった様子だったが、私の顔のガーゼとスマホに映し出された「涼」の文字を見て信じてくれたらしい。
「そんなんなら私が負ければ良かった!」
興奮しきって大騒ぎした桃ちゃんが最終的に述べたのはそれだった。
ははは!後悔先に立たず!ちなみに私はこれから毎日ゴミ捨てを担当する予定だ。
それから先輩のアカウントを隅々まで見て、アイコンの猫が先輩に似て可愛いだの映り込んだ手がキレイだの言いながら歩いていると、お別れの時がきた。
桃ちゃんは電車通なので、駅に向かうのだ。
「じゃ、先輩からメッセージ来たらスクショして送ってね」
「任せて!」
そして私たちは手を振ってそれぞれの方向に歩き出した。
