最後まで見送りたかったが、ずっとここにいるのも不審なので私も教室に向けて歩き出した。
…………先輩と喋っちゃった。
連絡先交換しちゃったし名前で呼ばれちゃった。
こみ上げる喜びで震えながら、なんとか教室に着いた。
そこには掃除を終えた桃ちゃんの姿が。
「桃ちゃん〜〜マジでヤバい〜〜〜」
「え!?どうしたのその顔!?」
あ、そうだ私怪我してたんだっけ。先輩の存在が麻酔となっていたのか、完全に忘れてた。
思い出すとガーゼの下の傷が痛む気がしたが、それすらも幸せに感じた。何てったって先輩と関わった証拠だし!
