廊下に出ると、先輩が私に頭を下げた。
「本当にごめん!」
「だ、大丈夫ですから顔上げてください!現にさっきより痛みも引いて喋れるようになりましたし…」
必死にそう言うと先輩は顔を上げてくれた。
またあの申し訳なさそうな顔をしている。かわいい。
ていうか先輩とこんな風に関われるなら顔面レシーブなんて喜んで受けますけどね!という本音は仕舞っておこう。
「すぐ治るみたいですし心配しないでください」
いくら大丈夫アピールをしても、先輩はいつまでもばつが悪そうな顔をしている。
その顔も可愛いけど、いつもの先輩に戻っていただかないと全ファンが悲しむ。私だって先輩の笑顔が見たい。
私は場を和ませるために雑談を始めた。
