先輩の優しさにポーっとしていると、本当に2年生のみなさんが走ってきた。
「涼!お前サッカー下手にも程があんだろ…って、大丈夫か!?」
「まさか顔面に当たった感じ?」
先輩方が心配そうに私を見ている。
そんなに見られると緊張するんですが!
「俺この子と保健室行くから、そこのゴミ袋よろしく」
渡辺先輩はそう言って、校舎の方に歩き出した。
お友達のみなさんにペコッと一礼して、私もそのあとについていく。
保健室までの道中でも、先輩はすごく優しかった。
私がもたもた靴を履き替えてる間に「手伝おうか?」と言われた時には、自分が実はシンデレラなのではないかと疑ったりもしたが、理性を保って丁重にお断りをした。
