先輩♂を巡って幼馴染♂と争う話


…………はずだった。

「じゃ、山本さんよろしく」

「一人負けって…弱すぎてウケる」

なんと、じゃんけんポンの合図でチョキを出したと同時に敗北が確定したのだ。

ゴミ捨てを免れた班員はホッとした顔を隠しきれてないし、となりにいる桃ちゃんは馬鹿にして笑ってる。

キーー!ムカつく!!

「別にゴミ捨てぐらいなんともないし!行ってくる!」

あからさまに落ち込むと勝者たちがつけあがりそうなので、私は平静を装って教室を出た。

廊下を歩き始めて、ため息をつく。

なんと今日は二袋もある。いや、重すぎなんですけど!

てか私思うんだけど、この学校設計ミスじゃない?

初夏の今はまだマシだけど、真夏や真冬にこの距離は無理。