踵を返した先輩を見届けて、私たちは元来た道に戻る。
「たしかにイケメンだけど、そんな夢中になるほどか?」
「は?目悪いの?あのレベルは誰でも夢中になるでしょ」
となりで不服そうにぶつくさ言ってるコウに先輩の良さを言い聞かせつつ、軽い足取りで教室に入った。
不機嫌なコウは仲の良い男子の方に歩いていく。
一方私がお昼を共にしている桃ちゃんも、すでにいつもの位置にいた。
半分スキップしながらご機嫌で席に着くと、桃ちゃんの鋭い視線を感じた。
「奈々…あんた裏切ったわね」
「コウが寂しがってたから仕方なくついてってあげたんです〜」
