バキッッ 『ってえ···なにすんだごらあ!』 『いちいちうぜえんだよお前!』 『んだよやんのか?!』 ガシャンッッ ほんのり匂う血の香り。 今日も近くで鳴るサイレン。 ベランダに出て、風に当たりながら彼らを見る私。 今日も通常運転の生活だ。 「ぬっる」 口に出るほどぬるい風は、なんだかすごくくせになる。 何も考えず当たっていたくなる。 この街も同じ。 ものすごくぬるい。 それでも、このまま沈んでいたくなる。