目が覚めると、ベットの上にいた。

隣には、全てを失ってしまったような顔をしたお父さんが座っていた。


『ゆ……い?起きたのか……?』



『おと……さん』


この時お父さんが私に向けた目を今でも私は覚えている。


私の方を見ているのに、私を写していない瞳。

初めてだった。こんな目を人に向けられるのは。

ましてや、お父さんだ。


お父さんの目には、“絶望” “憎しみ” そんなものが映し出されていた。


『お父さん、お母さんは……?』





『…………死んだ…………』




まだ、6歳の娘にそんなことを言うのか。と今なら思う。


でもその時はそんなこと考えれなかった。


私は、気づくと目から涙が出ていた。



『ごめんなさい。ごめんなさい……』


無意識に出てしまう言葉。



私がお父さんから。大事なものを奪ってしまったんだ。

私がお母さんから全てを奪ったんだ。


私が幸せだった家族を壊してしまった。



一生かけても償えない。そう思う。