ドンッ
一瞬だった。
さっきまで目の前にいた男の人は私の前に倒れていた。
その代わりに、また知らない私と同い年ぐらいの男の子がいた。
?「何をしているの?どうして逃げないの?あのままだと、殺されていたのかもしれないんだよ」
「それで良かった、」
?「えっ?」
「殺されてよかった。ううん、殺して欲しかった。邪魔しないでよ」
?「何があったか知らないけど、死にたいんなら勝手に自分で死ねばいいじゃん?誰も邪魔してこないようなところで」
本当にそうだと思った。
?「でも、それをしなかったってことは誰かに止めて欲しかったんでしょ?」
「えっ……?」
心の奥底を彼に見られた気分だった。
自分ですら気づいていない気持ちを
?「だがら、俺が止めるよ。君が少しでも生きたいって思うんだったらね。でも、本当に心の底から死にたいって思うんだったら、止めないよ。
君はどう思ってるの?」
「私は…………生き……た……い
………助け……て……」
「よく言えました」
そう言って、彼は微笑んだ。
涙が出そうになった。
そして、不思議と彼に全てを話したくなった。

