ただただ、冷たい風にあたりたくなった。
真っ暗なところに行きたくなった。
気づいたら、夜中なのに家を出ていた。




しばらく歩いていると、少し騒がしいところに着いた。



ここは、どこだろう?



そう思った瞬間、近くから誰かが誰かを殴っている音が聞こえた。





すると、背後から男が現れた。



「あっれー?こんな時間に珍しいねぇ
どーしたのぉー?」



1目見た瞬間にわかった。きっと、この人は薬をやっている。明らかにおかしい喋り方。
そして、目の焦点があっていない。


「あなたには関係ありません」



「あぁ?なんやと、ちょぉっと可愛いからって、調子乗りやがって」



すると、男がポケットからナイフを出し私の方に向けてくる。









“殺される”












うんん、違う














“殺してくれる”














そう思った。





私は今からお母さんに会いに行けるんだ










そう思ったのに、違った