そんな時だった。



警察の話を聞いてしまったのは……


『あの事件、娘さんを狙ってたっぽいっすね』



『あぁ、きっとあゆみさんに恨みのある人物が、あゆみさんから大切なものを奪おうとして鬼龍組に頼んで殺そうとしてたのだろう』




この時は、分からなかったが、中学生の時に調べてわかった。



鬼龍組とは、殺し屋で有名な組でこの組に依頼すればほぼ100%の確率で殺してくれるのだという。

だが、今回はターゲットの親を殺してしまった。
それでも、依頼人はきっと喜んだのだろう。



なぜなら、あれから私が後をつけられたりすることは無くなったからだ。



『鬼龍組が関わってるんだったら、事故って形でおいといた方がいいっすよね』


『あぁ、そうだな。これ以上深入りしたら俺達も危ないからな』




それから、7年後この日の夢を見た。


そして、気づいてしまったのだ。








鬼龍組のターゲットは私。










鬼龍組が殺そうとしていたのは私。









お母さんが庇ったのは私。









お母さんが死んでしまった理由も私。











お母さんを殺したのは私。












どうして、早く気づかなかったのだろう。











ワタシガオカアサンヲコロシタンダ。






ワタシハヒトゴロシダ。






この時私はまだ13歳。中学一年生。



まだ、中学一年生のときだった私は知りすぎてしまった。




この日以来、“お父さん”に殴られてもなんとも思わなくなった。痛くも感じなくなった。


この瞬間に、私は狂ってしまったのだろう。



それでもいいんだ。私は幸せになってはいけない
人だ。