吸入器で多少は落ち着いた。

「落ち着いたのでもう大丈夫です。帰らないと」

「理由。」

「へ?」

「ちゃんとした理由がないと帰せない。」

強めに言うと咲良ちゃんは全てを話してくれた。


両親が亡くなってからはバイトと仕送りで暮らしてた事
貯金がほとんどない事
そしてそのことを誰にも相談できていない事も。