「3年後の今日またここで会おう──」

繋いだ手がスッとほどけた。

「待っ…!」

瞬間強風が吹き付けた。思わず目を閉じ、両腕で顔を庇った。

時間にして10秒くらい。

それでも目を開けたときにはもう、彼の姿はなかった。

14年目の春、桜並木の下でのことだった。

"3年後の今日またここで会おう"

その言葉を最後に彼は私の前から姿を消した。