メンバーがやきもきしながら翔太が現れるであろう方向を見ていると、残り2分のところでやっと翔太の姿が見えてきた。
「あ!翔太だギリギリ間に合ったみたいだな」
そんな健の言葉を聞き全員が胸をなでおろした翔太は焦った様子で真希達の方に向かってきている。
「猪狩先生まだきてない??」
「よかったな、まだ来てないよ」
「ほんと、ヒヤヒヤしましたよ」
「ホントだよ~」などそれぞれが安堵の表情で翔太へ声をかける。そして集合時間になりメンバーは猪狩達を待ったがなかなか姿を表さない。真希達は不思議に思いながらも、猪狩達が来るのを待った。5分程たった頃だろうか無言で待つのに耐えられず千佳が口をひらいた。
「今日遅いね。もしかして新しい先生案内してるとか!」
「アリえるね。今年来る先生皆男らしいよ」
「そうなんだ、良かったね千佳」
「何よー私だけじゃないでしょ?真希も嬉しいクセにそれにしてもイケメンがいいなぁ」
「ないない、農高だぞ去年だって平均年齢50歳ぐらいだったじゃねえか」
「でもさぁ他の畜産学科とかはイケメンの若い先生いっぱいいるよ?何故うちにはいないのよ!」
「知るか」
「何よ、真之介ホントうざいなあ」
「は?うざいってなんだよ失礼な」
今にも掴み合いの喧嘩をしそうな2人をみて真希は二人の間に入ると宥めた。
「まあまあ二人とも落ち着いて」
「あ!皆先生来たよ」
やっとの事で2人を仲裁した真希がホッとしていると健が園芸学科の職員室から先生を見て声をあげた。
「おはよう、久々だな。お 日野、お前初日に遅刻はなかったみたいだな」
『 おはようございます!』
「よし!休みは居ないみたいだな。みんな座れ新しい先生に挨拶してもらう」
(ちょっと!!真希!見てよ結構若くない?!しかもあの真ん中の人めっちゃイケメンなんですけど!)
(しっ!猪狩先生に怒られるよ)
「じゃあ三上先生からお願いします。」
「はい。初めまして三上です。宜しくお願いしますね。ここのOBで8年前に1度ここで働いておいました」
そう挨拶したのは身長が180以上ある優しそうな顔つきをした30代ぐらいの男性だ。そんな三上が挨拶を終えると次に身長は三上程ではないが長身の細身というより筋肉質な細マッチョという言葉が似合う男性で目鼻立ちがしっかりとした男性が前に出た。真希はイケメンだなぁっと思いながら千佳の方を見ると千佳は頬を真っ赤に染めていた。
「初めまして、海崎です実習助手として赴任してきました。宜しく」
海崎は挨拶を済ませるとすぐ1本後ろへ下がった。そんな海崎に真希が最初に抱いた印象はなんだかチャラそうな人だなというものだった。そんな海崎の挨拶が終わると最後に挨拶したのは小柄な男性だしかし小柄と言っても180以上ある三上や海崎そして180近く身長のある猪狩に比べるとということで実際は170はあると思われる。
「えっと、滝井です。大学を出たばかりで歳は24です。分からなことばかりなので皆さん宜しくお願いします!」
「よし!今年1年この4人でお前達を指導していく」
『 はい!!』
真希は新たに始まる1年と新しい教師達を見て引き締まる思いとこれから1年への期待でいっぱいだった。