蝶のように舞う少女が一人。

少女の名は翡翠(ヒスイ)。

名の通りまるで翡翠の様な瞳を持ち、絹のような真白な肌に長い黒髪を靡かせたその姿は見目麗しく誰もを魅了した。

そんな少女を誰が奴隷だなどと思おうか……。

「翡翠、今宵の舞も素晴らしかった。」

少女の主人である男が柔らかい笑顔を向ければ少女もまた嬉しそうに微笑んだ。

「身に余るお言葉にございます。瀏亮(リュウリョウ)様。」

瀏亮はその笑顔を見ていると何とも心が痛んだ。

本当は奴隷制度に強い嫌悪感を抱き翡翠の事も解放してやりたい。