奈保くん。

小さい頃は、2つしか年の違わない彼を、陰ながら愛でてたけど。
今は、まだ中学生だというのに、しっかりと色気まで身につけている。

もともと身長が低めだった私は、彼が中学1年生のときに身長を抜かされていた。


よって、奈保くんが天使なのには変わりないけど、なんだか遠くに行ってしまったみたいで、ちょっと寂しい。


「梓ちゃん、今日もかわいいね」


どうやら、女の子を弄ぶ魔性の男になりかねなさそうなんだけど。

ナチュラルにそんな言葉が出てくるなんて、奈保くんはどんな人に囲まれているんだろう。


「…奈保くん、そういうことは好きな子に言うんだよ。むやみやたらにそんなこと言ってたら、チャラ男認定されちゃうよ」

「そっかー。じゃあこれからは、好きな子だけに言うね」


意外とアッサリ受け入れてくれた奈保くん。


…というか。


「奈保くん、好きな子いたんだね…!」