そう思い、さっさと寝た。
もちろん、そんな私は香乃からの返信にも気づかなかった――。
*
違和感がある。なんだか重い。
少しずつ目をあけると、目の前には香乃の顔のどアップ。
「ん…香乃…?なんでここに…?」
「鍵。あいてたよ。不用心め」
お母さんが仕事に行ったっきり、そのまま鍵をあけていっただけだけど。しめる気力なかった。
「ごめん」
「ま、もっとめんどくさいこと言うおまけがいるけどね。今ミカン用意してる」
「え…!?ほんとに…!?」
ミカンは私の大好物。どれだけ具合悪くても、ミカンなら食べられる。
でも、おまけって誰だろう。佳乃ちゃんあたりかな。…でも、香乃が佳乃ちゃんのことを『おまけ』なんて言うのはしないと思う。
ということは……
「あ、来た来た。奈保~梓起きた~」