私には、幼稚園が一緒の幼なじみがいる。

名前は香乃(かの)

今では仲良しだけど、元々仲良しだったわけではなく、仲良くなったのは小学三年生くらいからだ。




「今日もウチ来る?」

「うん」




私の家と香乃の家は、自転車で10分間くらいの距離にある。
だから、頻繫にお互いの家に遊びに行ったりする。




「あ、でもやっぱ、一旦、家に帰ってから行ってもいい?この前、お菓子作ったから。持っていきたい」

「え、(あずさ)の手作りお菓子…!?」




私が言った途端に、香乃の顔がパッと明るくなる。

……どうしよう、ちょっと可愛い。見慣れてるけど。見慣れてるけど、いつ見ても可愛い。羨ましい。




「そーだよ?」

「チョコのやつある?」

「今回は、チョコチップクッキーと抹茶マフィン」




腕によりをかけて、今回も作った。

毎回、香乃がこんな風に喜んでくれるし、楽しいし。