「あのときは、まつげついてたって……」
「それでも手を後ろに組めって、不自然だろ?
まあ、まつげなんてついてなかったけど」
なんということだ。
まさか菅原に嘘をつかれていただなんて。
誰が想像できたことだろう。
「組んでって言ったのは菅原でしょ?」
「お前、どこまで断れないつもり?いつか犯罪とかに巻き込まれるぞ」
犯罪って……さすがにそこまでいったら、断る前に逃げる。
「それは大丈夫……」
「へぇ」
感情のこもっていない返事をされた。
今の菅原は、何を考えているんだろう。
“王子さま”とはほど遠いその姿に、私は困惑する。
「今、何考えてる?」
私が思っていた言葉を菅原の口から出て、驚いてしまった。
菅原はまだどこか意地悪そうな笑みを浮かべる。
そしてまた、菅原の右手が私の顎に添えられた。



