「男なら誰でもいいんだ?」
「さっきからなに言って……」
「従順なフリして、そうやって誘ってるんだね。
じゃあ噂も全部、本当なのか」
えっ?
今、菅原はなんて言った……?
噂も全部、本当……?
私、嘘だって言ったのに。
信じてくれなかったの?
さっきまで理解できない言葉ばかり言われていたのだけれど、そこだけはっきりと頭で理解できた。
初めて噂に対して否定できたのに。
信じてくれなかったことに、軽くどころか大きなショックを受けてしまう。
「だからこそ、その余裕な表情崩したいんだよね」
もう私の耳には菅原の言葉なんて届いていなくて。
「俺でいっぱいになればいいよ」
ふたりの距離が詰められ、ついにゼロになった時。
唇になにやら重みを感じた。



