腹黒王子のいいなり。




ーーー「じゃあよろしく」


話は思ったよりも早く終わり、すぐ帰れそうだなと思っていたのだけれど。

話が終わってから、クラスに配らないといけないというプリントを3枚渡された。


「あとこれ、ホッチキスな」

さらにはホッチキスも渡され、多分3枚1組にしてまとめろってことなんだと思う。


「面倒くさいからバラバラで渡していいよね?」
「そうだな、そうするか」


だけど他のクラスはどうやらホッチキスでとめる作業はしないようだった。

たしかに面倒くさいし、私もそうしようと思ったというのに……。


「春坂さん?座らないの?」

教室に戻るなり、菅原は私の前の席に座り、椅子を反転させて体をこちらに向けた。


「何してるの?」
「何って、プリント3枚をホッチキスでとめないと」

「それ、やるの?」
「えっ?やるつもりだったんだけど……バラバラで配るより、なくしにくくて管理しやすいだろうし」


どうやら菅原は、ホッチキスでプリントをとめる作業をやる気らしい。

面倒くさいとか、手を抜くという感情はないのか。
さすが“王子さま”は違う、気配りのできる優しさの持ち主だ。