腹黒王子のいいなり。



「夕美ちゃーん!
今回はバーベキューなんだね!

えへへ、夕美ちゃんとバーベキューって楽しみだなぁ」


なんて純粋な子なんだ、と今すぐ抱きしめたい気持ちに駆られる。

不安だった心が、一瞬で消え去った。


ひなこは何も言わなくても、私と一緒だって思ってくれていたのだ。



「楽しいだろうね」
「うん!夕美ちゃんとだもん」


この子は、嬉しいことを言う。


だけど問題はあとふたりだ。

ほかにふたり組のところはないかな……と探したいところだけど、クラスの半数以上がとある席の周りに固まっていた。


もちろんその席とは、左隣の菅原と野村の席の周りで。


「雅くん、私たちふたりと組まない?」
「野村もおまけでついてきていいから!」

「何言ってんだよ、雅と悠は俺たちと組むんだよ」
「男子は男子で組ませろ!」


さっきから男女かかわらず、菅原と野村の取り合いをしていた。

すごいな、人気者はやっぱり違う。