「……大丈夫、だから……謝らなくていい」


確かに悪い噂は流れていたけれど、私だって雅にちゃんと想いを伝えきれていない。

それに好きという感情に気づいたのも、今日だったのだ。


そんな私と雅が付き合っていたなんて、誰もが不満に思うに違いない。

私にだって非があったのだ。


だから今言わなければいけないと、思った。
ここで言わないと、何も変わらないって。


「だけど、これだけはわかっててほしい。
私は雅が好きで、雅じゃないとダメ……なの。

だから私はこれからも雅の彼女でいたい、本気で好きだから」


頑張って想いを口にすれば、3人だけではなく、教室全員の視線が私に向けられて。

さらにはみんな、驚いたような表情をして固まっていたから、途端に恥ずかしくなって、ぱっと俯く私。


だけど、ちゃんと言えたよ。
頑張ったよって、思っていたら。


なぜか私の手を握る雅の手に、力が加わって。



「……雅?」

思わず顔を上げて名前を呼べば、また大きなため息をついた。