腹黒王子のいいなり。



「……春坂さん」


その時、3人組の女子が私の元へとやってきて。
その子たちはみんな、雅の周りの席である女子たちだった。


何を言われるのかわからずに、また怖いと思っていたら……雅にぎゅっと手を握られた。

パッと顔を上げると、雅は優しく笑いかけてくれて。


……うん、大丈夫。

少し息を整えてから、私は女子たちに視線を向けた。


目が合うなり、逆に3人の肩がビクッと跳ね、怖がっていた様子だったけれど。


「……さっきは、ごめんなさい」

そのうちのひとりに謝られ、私は思わず固まってしまった。

まさか謝られるとは思っていなかったからだ。


「春坂さんのこと、何も知らないのに悪く言って……ごめんね」


それで、なんとなくわかった。
雅が……この3人に何か言ってくれたのだと。

謝れ、とはさすがに言わないだろうけれど、きっと私を庇うような言葉。


それで3人は謝ってきてくれたのだ。