腹黒王子のいいなり。



雅の匂いがする……それに雅は私を抱きしめ返してくれ、いつものように頭も撫でてくれた。


「……こ、これは見せつけられてるのか?」

その時、野村の声が聞こえてきて、はっとした。

そうだ、今この行動もふたりに見られているということを、すっかり忘れていた。


今すぐ雅から離れようかと悩んだけれど、なんだかもう遅い気がして。

諦めて雅にぎゅっとしがみついたままでいた。


「それにお前らなんか……色々おかしくねぇか?
えっ、春坂さんってもしかして……」

「ああ、これが本当の姿。
寂しがり屋の甘えたがりの泣き虫」


ひ、ひどい言われようだったけれど、全て合っていたから何も言い返せない。


「そ、そうなの……!?」

今度はひなこの声が聞こえてきて、これには思わず振り返った。


ひなこは驚いた表情をしていて、私たちを見ていた。