「それと、悠と友田さんは先に戻ってて。
俺は夕美と話があるから」
相変わらずさわやかな笑みは変わらない。
だけど、声が……いつもより低くて、やっぱり怖い。
野村もひなこも、今目の前にいる雅に戸惑っていて、その場から動かない様子。
「……まあふたりが行かないなら、俺たちが行こうか。夕美、こっちにおいで」
だから今度は私が呼ばれ、思わず肩がビクッと跳ねてしまった。
だって、怒っている。
雅は怒っているのだ。
私はおとなしく、雅のほうへ行こうとした……けれど。
「だ、ダメ……!ゆ、夕美ちゃんが泣いてるのに、何も言わないなんて菅原くんはひどいよ……!」
「そうだ!お前がこんな感情のないやつとは思わなかった!」
「だから夕美ちゃんは渡さないもん!」
ふたりとも、雅を敵対視するかのように私の前に立った。



