腹黒王子のいいなり。



「私が、雅に相応しくないって、知ってるけど……それでも好きなの、雅の……そばにいたいのに……」


口を開いたら開いたで、また涙が溢れてしまう。
いったい何がしたいんだって、自分でも思った。

その時、野村の手が私の頭の上に置かれて。


「そんなことねぇよ、春坂さんは堂々とするべきだ。雅と似合わないなんて、誰も思ってないから」


いつになく真剣な表情の野村に、私はただ見つめることしかできなくて。


「そうだよ!みんな、夕美ちゃんも完璧だと思っているから、あんな風に影でいろいろ言うだけだよ!

あんなの気にしたらダメ!」



ひなこも同じように、真剣な顔つきでそう言ってくれた。


ひなこも、野村も。
いきなり泣き出して、本音を言う私に対して、ここまで真剣になってくれて。


嬉しさと、申し訳なさが胸はいっぱいに広がった。

だって私は、こんな優しいふたりにも本音が言えなかったのだ。