腹黒王子のいいなり。



「……あいつら、最低だな。春坂さんが怖くて堂々と言えないからって、影であんなことするなんて。

春坂さん、あんな奴らの言葉気にするんじゃ……」

「夕美ちゃ……」


きっとふたりにも聞こえていたのだろう。
私を庇うように優しく声をかけてくれたと思っていたら。

私を見て、ふたりとも固まってしまう。


「夕美ちゃん……泣いてる」

そしてひなこは、ひどく切なげな表情をした。

その時初めて、自分の頬に涙が伝わっていることに気がついた私。


「……っ、ご、ごめん」

「は、は、春坂さん!?
ちょ、えっ、な」

「の、野村くん静かに……!」


泣いている私を見て、焦り出す野村。
途端に視線が集まってしまい、悪目立ちしそうになる。


「夕美ちゃん、もうすぐ授業終わるし外でよう」
「えっ……?」

「そ、そうだな、外に行こう!」


野村も視線が集まっていることに気づいたようで、さらに慌てた様子で私の腕を引っ張り立ち上がらせた。