腹黒王子のいいなり。



だけどその子は止まらなくて、今日は一段と雅に話しかけていた。

それは、昼休みが始まる前の4時間目の時もだった。


古典の先生が風邪で休みのため、その時間は自習だったから、その子は大胆にも振り向き、雅に話しかけている様子で。

「雅くんはなんで春坂さん選んだの?
春坂さんって、雅くんのこと弄んでるだけじゃない?」


少し席の離れている私まで、しっかりと届く声の大きさ。


「絶対そうだよね!」
「何か弱みでも握られたの?」


どうしてその考えに行き着くのかわからなかったけれど、周りの女子もその言葉に反応して、同じように大きな声で話し出す。


私はその言葉を聞いて、胸が痛くなった。

違う、弄んでなんかいない。
弱みも握ってないし、どっちかといえば握られているほうだ。


「あんな無表情な子といて、面白い?
菅原くん、無理してるでしょ?」


ドクンと、心臓が嫌な音を立てた。

無理……してる?
雅は、私といても面白くないの?