腹黒王子のいいなり。



だけど、あっという間に私の家に着いてしまって。


「……おい、着いたぞ」
「……嫌だ」


雅がそんなことを言うから、余計離れたくなくなって、ぎゅっと彼の腕に絡みついた。


「あのなぁ、また明日も会えるだろ?」
「……うん」

迷惑だってわかっているのに、それでも離れたくなくなるのはどうして?


「夕美」

こんな自分に対し泣きそうになっていると、突然雅が私の名前を呼ぶ。


「何?」
「顔上げろ」


どうして顔なんか……と思いつつ、顔を上げるなり、雅にキスを落とされた。


「……っ」

まさかの不意打ちで、顔が一気に熱くなる。
キスはまだまだ慣れそうにない。


「また今度、俺の家に来たらいい」
「えっ?」

「そしたら、寂しい気持ちがなくなるくらい、甘やかしてやるから」

「本当?」


じゃあ今、我慢すれば雅とふたりきりになれる時間を作ってくれるの?

雅の家ってことは、ミイにも会える?