腹黒王子のいいなり。



「俺もお前しか無理だから」
「私しか……?」
「お前しか受け付けてない」


じゃあ、それってつまり……。

「雅は私から離れていかない?」


ずっと雅のそばにいられる?
見放されることがないって思ったら、すごく嬉しい気持ちになる。



「それでもし、離れていったら?」
「え、嫌だ」

「それだけか?」
「泣く、追いかける……そばにいてほしい」


思わず雅の手を強く握り返してしまう。
離れないようにって。


「ふっ、かわいいやつ。
大丈夫、俺はずっとお前のそばにいるから」

「……嬉しい、ありがとう」


こんなにも雅の存在が自分の中で大きくなっていただなんて、自分でもびっくりだ。

いつもは雅の駅に着いたらふたりの時間が終わってしまうけれど、今はまだ隣に彼がいる。


それがすごく嬉しくて、まだこの時間が終わってほしくないって思った。