腹黒王子のいいなり。



改札を通り、少し歩けば周りに人がいなくなった。

そのタイミングで私は雅と距離を詰め、寄り添う。


「……寂しがり屋」
「うん……寂しい」


雅の言う通り、私は寂しがり屋なのかもしれない。

さっき少しだけあいていた距離でさえ、詰めたくなるほどだったのだ。



「見た目はひとりでも平気そうなのに」
「偏見だ……私はひとり嫌だ。雅とふたりがいい」


そしたら寂しくなんてないし、頑張っていける。
もやもやしたり、女子に囲まれる雅を見て嫌だなって思うこともない。


「俺とふたり?」
「うん」
「なんでだよ?」

「雅といると、素でいられるし……落ち着く。安心する」


そう思える場所を雅が作ってくれたのだ。
それを知ってしまった私は、今さらひとりになんてなれない。


「これからも雅と一緒がいい」
「……告白みたいだな」

「えっ?」
「なんでもない、鈍感女」


ど、鈍感女って……褒められている気がしない。
そもそもけなしているのだろうか。